まずは、そもそもBatuta80Sがどんなエギングロッドかというお話から
長さは8.0ft
最近流行りのショートロッドと言うわけででもなければ、別にオーソドックスな長さでもない。
それらの中間的な長さです。
極端な話、エギングロッドは長ければ長いほどイカがよく釣れるというのが僕の基本的な考え方ではあるのですが、手首にくる負担や竿のダルさにも実用的な範囲というものがあると思います。
今回、Batuta80sをテストしていく中で、目指したパワー、テーパー、しなやかさを両立させるには8.0ftがちょうど良かったのでこの長さを採用しています。
これ以上長くても、これ以上短くてもダメでした。何事もバランスが大事ということですね。
グリップエンドまでの長さは285mm
最近増えてきた少し短いグリップではなく、一番オーソドックスな長さです。
この長さを採用した一番の理由は短いグリップだとイカ以外の魚とのファイト時に非常に大変であるということ(エギング関係ないですが笑笑)。
他にも、エンドタップを使ったジャークやダブルハンドでのキャスト、ロッド全体のバランスへの影響も採用の理由です。
(開発者の僕が高身長で手が長いため、長いグリップでも取り回しに問題が全くないというのも正直あると思います)
テーパーはレギュラー〜レギュラーファースト
これが近年のエギングロッドに最も逆行している部分です。
エギをしゃくる時にバット部分を最大限活かせるようにしたくて、このテーパーにしています。
多分、初めて触る人は「エギング…ロッ…ド?」って思うくらいにはダルい竿です。
多分、シーバスロッドって言われた方がしっくりくると思います。個人的なイメージはトラウトロッドです。
リールも何も無しで触るとそんな感じの印象なんですが、実際に糸を結んで振ってみると別段ダルさは感じないというような絶妙なバランスになります。
ちなみに、ここが一番Batuta80Sで難しかったところです。
あくまで、バット部分まで活きるスローな竿が欲しいけれど、あまりダルさを残し過ぎると不快だし、なんせ風に弱くなる…そんな中での落とし所探しです。
風に弱過ぎるのも問題ですが、そもそも爆風吹き荒む中でエギングすることも無いなと思い、現実的に実釣しうる範囲内で不快出ない範囲を目指しました。
実際のテストでは、1月の大寒波、島の天気予報で風速13m/sという悪天候下でも2kgアップをキャッチすることも出来ているので、この辺りが落とし所ではないかなと個人的には思っております。
話がだいぶ逸れましたが、エギの話に戻ります。
先ほど書いたようにBatuta80Sはエギングロッドとしてはスローテーパーな印象の竿になります。ですので、竿全体を鞭のようにしならせて、スラックを活用するようなジャークが得意な竿になります。
マルチピースロッドではありますが、グリップエンドをタップするような強いジャークも問題なくこなしてくれます。
逆に、ショートピッチなジャークなんかはあまり得意ではありません。
具体的なエギの話に行きます。
まずは、ノーマルタイプについて
・オーソドックスなエギ
DUELさんのダートマスター(19g)、スクイッドマニアさんのワイルドチェイス(20g)なんかがオーソドックスに使い易いように思います。
Batuta80Sでエギを使い分ける上で一つ参考にしていただきたいのがエギの重さ
Batuta80Sで使うのであれば20g前後のエギが非常に使いやすいです。
この後も、ちょくちょく重さについて言及していきますが、その辺りを比べなが読んでいただくとイメージしやすいかと思います。
ただ、このエギもう廃盤なんですよね…
この系統よりも少しノーズで水を受けてダートさせるようなタイプのエギはファーストテーパーな一般的なエギングロッドテイストな竿の方が相性が良さそうな気がします。
具体的には、オーナーばりさんのDraw4(19g)やハリミツさんの墨族(19.5g)なんかがこれにあたるのではないでしょうか。
極端な話、ダートマックスやエメラルダス ストリームなんかのアイが上にあるタイプなんかのダートタイプのエギはせっかくの特性をBatuta80Sでは活かしきることが出来ません。
・抵抗系エギ
逆に、さらに抵抗感があり、ダートというよりも上に跳ね上がる系の動きが主になるエギ
そんなエギをハイピッチなダートではなく、スローに動かすのには非常に向いていると思います。
Batuta80S自体がそもそもゆっくりとした攻めとの相性が良い竿なのですが、バットにはしっかりとパワーがあるので、一回一回しっかりとしゃくってあげれば、重さのあるエギでも大きくゆったりと大きく動かすことが可能です。
具体的にはエギ王K(22g)でスローに誘う釣りなんかはかなり相性良いです。
またまた話は少し逸れますが、このエギ王Kは今のエギング市場では無視出来ない存在だと思っているので、このエギが普通に扱えるかを一つのボーダーラインに設定して開発を行いました。
その理由としては、大分型のエギからの派生系のエギでスタンダードなエギとして扱われる3.5号のエギとしてはこのエギが最も重量があり、また、エギングロッドのパワー帯がMクラスかMLクラスかの差でも操作感に非常に影響を与えてくるというまさに絶妙な存在だからです。
ちなみに、ダイワさんから出ているステイなんかはエギ王Kよりも重い3.5号ではありますが、コンセプトがそもそもダート系とは大きく違うため、ここでは一旦別物として扱います。
つまり、相性が良い悪いは一旦置いておいて、ショートピッチであろうが、スラックジャークであろうが、普通のしゃくりであろうが、とりあえず、どんな使い方でも使用に大きなストレスを感じないエギの上限はエギ王Kになるように作ってあります。
水深のあるポイントや、流れのあるポイントでエギ王Kを使って「うわっ、何これ、しんどっ…」ってならないのを目指しました。
・ノーズが細い系エギ
スラックジャークを活かした攻め方を多様するならばエギ番長(19g)
エギ番長3.5号で釣った秋イカエギ番長3.5号で釣った夏イカ
エギ番長3.5号で連発した夏イカ
何を隠そう、エギ番長が好きすぎて、このエギを最大限活かせるスローな竿が好きになったんです。
同じ系統のエギとしては、キーストンさんのエギシャープ(17g)なんかもノーズ部分が細く同じように扱いやすいと思います。
夕まずめにエギシャープ3.8号で釣った夏イカ
ここまでの話をもう少しわかりやすくまとめると
一般的に出回っているエギの中だけでも、3.5号ノーマルタイプと一括りに言っても、エギシャープ17gからエギ王K22gまでとボリューム感にこれだけの幅があります。
この幅とBatuta80Sの扱いやすいエギの幅が同じになるようなイメージで竿作りをしました。
また、Batuta80Sが得意とするのはあくまでも、ハイピッチなダートによる誘いではなく、スローな誘い。
エギシャープやエギ番長のような軽くて、ノーズの細いエギをスラックを用いて丁寧に動かすこと
エギ王Kのような重く、抵抗感のあるエギをバッドパワーを用いてゆったりと動かしてあげること
この二つがBatuta80Sが最も得意とするエギのジャンルです。
また、それらの中間的なエギ達ももちろん扱いにくいわけではなく、上に挙げたような誘い方はどちらも可能です。
しかしながら、それらの中間的なエギ達の中でもしゃくりの抵抗をダートの力に変えるようなタイプのエギは、スローな誘いよりもファーストテーパーな竿でキビキビと動かしてあげる方がそのエギのポテンシャルを発揮できるように感じるので、Batuta80Sではその良さを十分に引き出せないのではないかなと思います。
もし、キビキビとしたダートで誘いたいのであれば、3号なんかのもう少し軽いタイプのエギを使うのが良いです。
つまり、
17−22gのエギであれば基本的に快適に操作できる。
その中でも、
軽くて、ノーズの細いエギをスラックを用いて丁寧に動かすこと
重く、抵抗感のあるエギをバッドパワーを用いでゆったりと動かしてあげること
は特別相性が良い
と言うことです。
次に、ディープタイプのエギについて
ディープタイプのエギというのは重量が重くなり、前傾姿勢が強くなる分、総じて、ノーズで水を受けてダートする傾向が強くなります。
22gを超えるエギも多くなります。
そして、ディープタイプのエギはフォールが早いので、どうしてもスローな誘いというのにも限界があります。そのため、Batuta80Sとの相性は総じてあまり良くありません。
そんなディープタイプ中でも、Batuta80Sと相性の良いのは抵抗の少ないタイプのボディのエギから派生したタイプのエギです。
具体的に超オススメなのはエギ番長D
これは、フォールスピードこそ早いですが、しゃくっている感覚はスタンダードなノーマルタイプに近いのでかなりオススメです。
何を隠そう、Batuta80Sのプローモーションムービーで屋久島の3kgを採ったのもこのエギです。
あとは、前述のスタンダードなタイプのエギに仮面シンカーを装着するパターン
これだと、前傾姿勢になる分、そこまで重量がアップしなくてもフォールスピードを上げることが出来るので、あまり使用感を変えることなく、今まで入れられなかった一枚下のレンジにもエギを入れられます。
そして、シャロータイプ
これは、スローな攻めを得意とするBatuta80Sとは総じて相性が良いです。ですので、正直、どんなエギでも良いと思います。
強いて言うとするならば、Batuta80Sに合わせるシャロータイプのエギも17−22g程度の範囲内に入っているものを選んであげるのが良いと思います。(20gくらいのやつがドンピシャです)
今までの話からなんとなくわかると思いますが、エギはウェイトを揃えてあげると使用感が近くなる傾向があります。(あくまで、傾向ですが)
おまけで、4号について
Batuta80Sは3.5号のエギの使用をベースに考えています。理由としては、エギングはロッド、リール、ライン、エギのトータルバランスで潮だったりの変化を感じていくものだと思っているので、使い易いど真ん中はあくまで3.5号に設定したかったからです。
もちろん、強風時なんかでどうしても4号を使う必要がある時はくると思うのですが、それはあくまで、感度と釣り自体の可不可を天秤にかけても4号を選択するくらいでなければ4号を使うことはBatuta80Sは想定していないということです。
誤解を恐れず言うとすれば、キャストも想定していなければ、しゃくりも想定していません。
また、フルキャストが出来るわけでもないので、3.5号と比較して4号の方が飛距離が伸びるなんてことも特にないと思います。
その上で、4号について書かせてもらいます。結論から言いますとキャストにさえ気を使えば、22g以上のエギをバットを曲げて動かすことはもちろん可能です。なんなら、4.5号までは実釣でテストしましたが、問題なく動かすことは可能です。(キャストは気を使ってください)
これは、開発中は全く想定していなかったのですが、エギ王Kの22gを超えるようなエギはしっかりとバッド部分に重みを乗せてしゃくってあげさえすれば、しっかり曲がる特性もあって、思いの外軽い力でもしっかりと大きなエギを動かすことが出来ます。レングスが8.0ftなのも相まって、そこまで手首に負担をかけることなく扱うことが出来るので、逆に言えば、キャストに気を使いさえすれば4号のエギはある意味快適です。
とはいえ、軽い力で動かせるとは言っても、キビキビとしたダートではなく、一回一回しっかりとしゃくるゆったりとしたアクションにはなりますので、大きくゆったりとしたジャークで魅せるタイプの4号エギが相性が良いと思います。
具体的にはオーナーばりさんのモンスターザライドなんかが最高です。
このエギはフォールスピードが3.5号のフォールスピードと同じに設定してあり、3.5号の使用感の延長線上で使うことができるので、感度を損なわずローテーション出来ると思います。
また、仮面シンカー1gを付けてやや頭下がりにして使う使い方のも強風時には強い味方になってくれます。
Batuta80Sと各種エギをテストで使ってきた感じた相性について書かせていただきました。